そんな彼女に聞いた話です。
お風呂でシャンプーしている時に突然後ろから髪の毛を引っ張られたり、店に飾ってある壺から女の子が覗いているのが見えたり・・・
・・・こんな現象を小さい頃から頻繁に体験しているそうです。
そのため慣れてしまって、少しも怖くなかったそうです。
その彼女が唯一とても恐ろしい体験をしたのは小学2年の秋でした。
当時、宮城県にある小さな村に住んでいた彼女の家はトイレが外にあったので、布団を敷いた部屋の隅にポータブルトイレが置いてありました。
ある日、夜中に目を覚ましトイレに座りながら何気なく障子が開いたままの隣の部屋を見ると、部屋の隅に黒い詰襟の学生服を着た少年が立ってました。
よく見ると、膝から下がありませんでした。
次の瞬間、彼女はあまりの恐怖で動けなくなりました。
その少年が彼女に向かって近づいて来たのです。
畳に腹ばいになり、彼女の顔をジーッと見上げながら、両腕を使って
ズリッ・・ズリッ・・
と少しずつ近づいて来たのです。
無我夢中で障子を閉め、頭からすっぽり布団をかぶり、しばらくブルブル震えていましたが、その後あまりに静かなので、ソーッと布団から顔を出して隣の部屋の方を見てみました。
障子は閉まったままで、何の異常もありません。
ホッとして
「あー良かった・・」
と思ったとき、障子の破れが目につきました。
その途端、本当に体中の毛穴が開き、ゾーッと寒気がしたそうです。
何とその破れから少年の目が覗いていました。
そして彼女の顔をジーッと見ていたのです。
布団の中でガタガタ震えていた彼女はいつの間にか寝てしまいました。
朝になって隣の部屋を見ても何もなかったそうです。
最後に彼女は一言
「絶対に夢じゃなかった・・」
と締めくくりました。

